インド 反原発運動
撮影者:アミッタラジ・ステフェン(Freelance)

2012 年9月、「サチャグラハ(非暴力不服従運動))」として海に入る原発反対派の村人たちの頭上を、インド沿岸警備隊の飛行機がかすめるように飛んでいった。彼らが反対しているのは、インド最南端のコモリン岬から東に30キロにある、クダンクラム原子力発電所の稼働。ソ連の援助で20数年前から計画されたもので、建物はすでに完成している。スリランカは対岸だ。

イディンタカライ村の眺め。ここは、非暴力で原発に反対する人々の中心地だ。村人の12000人以上が、原発が予定される場所から2キロ以内に住んでいる。津波の被害も大きかったところで、1キロ以内には仮設住宅もあるが、居住者たちに移動が促されたこともない。

毎週、「テリプ・デイ(税金日)」には漁師は捕まえた魚をオークションセンターに持ってくる。ここで魚が売られて、抗議活動の運営費として使われる。毎週、運営費としては不足のない額が集まる。

付近のクウタンクリ村の村人は外出禁止令が出たので、イディンタカライ村に行くことができず、キリスト教会の前に集まって政府に抗議の声をあげる。彼らは熱心なカトリック教徒でもある。

クダンクラム村の住人が警察に襲撃されたことに抗議して、漁師たちが港を包囲して船舶の航行を妨害している。

広島に原爆が落ちた日と同じ8月6日に、ロシア大使に原発事業に技術支援をしないようにと要求する手紙を書いて、掲げてみせるイディンタカライ村の子どもたち。

クダンクラム村に外出禁止令が発令されたあと、クダンクラム原子力発電所の前に数十人の警察官と数台の大型の警察車両が集結して、取り締まりに向かおうとしている。

クダンクラム原子力発電所の近くの浜辺で、試運転に反対する数千人の村人たちが子どもと一緒に抗議活動として寝そべっている。

強固なヘルメットをかぶり、警棒を振り回す警察官たちから、イディンタカライの素手の村人たちが血を流しながら逃げ惑っている。

イディンタカライの住人、ザヴィエランマが警察官に波打ち際まで追い詰められて転んでしまい、泣きながら助けを求めている。彼女は村人たちに助けられたが、その後逮捕され、国家に対して16の事件で暴動や争いを扇動したという重罪で起訴された。

警察官に村人たちが襲撃されたことを嘆き悲しんで、女性たちがルルド教会で聖母マリア像に祈りを捧げた。

村人サハヤムの葬儀のミサの間、泣きじゃくる彼の娘たち。サハヤムは4日前にインド沿岸警備隊の飛行機が海岸をかすめるように飛んだ時、その衝撃を受けて海中の岩の上から落ちて死亡した。

ルルド教会の聖母マリア像が警察によって破壊されたという。その清めの儀式で、村人たちが泣きながら祈っていた。

クダンクラム原子力発電所の閉鎖を願い、クタンクリ村でキリスト像を掲げて聖なる行進が行われた。この地域の村人の大半は、熱心なローマ・カトリック教徒である。