タイトル:キルギスの花嫁誘拐
撮影者:林 典子(Panos Pictures)

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突然誘拐された、女子大生のファリーダ(20)。 誘拐したタイシュンベックの家に連れてこられた。キルギスでは誘拐した男の身内の女性たちが、誘拐された女の子を結婚するよう説得する。長時間高齢の女性に説得され、また一度男性の家に入った女性はけがれていると見なされるため、最終的には、ほとんどの女性が結婚を受け入れてしまう。

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誘拐され、花嫁の象徴である純白のスカーフを被せられそうになり、泣き叫びながら抵抗するディナラ(22)。 ディナラは両親に誘拐されたことを伝えたが、結婚しなさいと言われた。翌日、彼女を誘拐した男と結婚した。キルギスでは年間約1万5千人の女性たちが誘拐され、結婚させられる。

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誘拐したタイシュンベックと2人で話し合うファリーダ。

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白いスカーフを被せられたファリーダ。タイシュンベックに手を握られているが顔を背けたままだ。

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ファリーダを迎えに来た兄を囲み、説得を続けるタイシュンベックの親戚たち。

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キルギスの住宅街。

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結婚式を待つチョルポン(18)。2日前に誘拐され、6時間抵抗をしたが結婚を受け入れた。 誘拐される日の朝、バスに乗り込み逃げたが、追ってきた相手に強引にバスから降ろされた。

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チョルポンの結婚式。彼女は、両親に恥をかかせたくないから結婚を受け入たと言う。

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純白のスカーフを被せられ、肩を落とすアイティレック(18)。携帯電話の電波が入らず、家族に連絡をすることもできない。

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結婚して1か月半後、アイティレックは夫の暴力に苦しんでいた。一度逃げ出したが連れ戻され、持っていた携帯電話は壊された。誘拐されてから一度も家族に会っていない。

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乗り込んだタクシーの運転手にそのまま誘拐されたエルヴィラ(26)。夫の暴力に耐えきれず、子どもを連れて実家に逃げて来た。

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誘拐犯のシャインベック(34)。19歳の女性を誘拐、レイプし、無理やり結婚した。女性は3日後に自殺した。誘拐犯が起訴されることは珍しく、レイプしたり被害者が自殺したりしない限り、罪に問われることはほとんどない。

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誘拐され自殺したウルスの写真を持つ母親。

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裁判後に墓を訪れ、泣き崩れる家族と婚約者。

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誘拐について話し合う男たち。プロポーズをしたが断られ、両親から誘拐をするようすすめられた。誘拐をする男性は、友人を何人も連れて車で出かけるのが一般的である。