地中海沿岸 密猟される鳥
撮影者:デイビッド・グーテンフェルダー(AP)

地中海沿岸で毎年、何億もの大量の渡り鳥が食用、金儲けそして娯楽のために殺されている。鳥の密猟は違法な行為であり、危機的状況にある多くの鳥類たちがすでに大打撃をうけている。

キプロスで、渡り鳥を狙った密猟者がしかけた、粘着性の「とりもち」に羽と足がくっついてしまい、身動きできなくなっていたコノドジロムシクイ。鳥類殺戮反対団体(CABS)の活動家によって発見され、保護されて治療を受けたが、すぐに死んでしまった。 キプロス、アヤナパにて。

エジプトで、エジプト人の兄弟が死んだ2羽のニシコウライウグイス手に持ったまま、散弾銃を構えて、渡り鳥を狙っている。これらの鳥は何千キロも旅して地中海を越え、ようやくこの地まで飛んできたのに、そこで酷いことにただ、殺されてしまうのだ。
エジプト、アル・マグラのオアシスにて。

イタリア北部で、密猟者がしかけた罠にはまり、首と足にピンが刺さって瀕死のヨーロッパコマドリ。この地方では、罠をしかけることは違法だが、いまだに密猟者はさまざまな罠やネットを、このイタリア北部の森に仕掛けている。
イタリア、ブレシア地方にて。

イタリア北部で、冷凍されて、アルミのトレイに詰め込まれた渡り鳥の死体。森林警備隊員が密猟者から押収した。これらの鳥は、珍味として密かにレストランや家で賞味されている。 イタリア、ブレシア地方にて。

エジプトで、家族が運営する農場で、鳥を捕獲するために、木から大きなネットがかけられていた。男の子がネットのなかで、ウグイス科の渡り鳥、チフチャフをつかまえようとしている。鳥たちはネットのなかに入ってしまうと、出られなくなる。
エジプト、エル・ダハの郊外にて。

エジプトで、ネットに引っかかったヨーロッパ・ウズラを、男性がつかまえて網袋に入れている。鳥たちは、ヨーロッパ大陸から地中海を越えてやってきたが、海岸線に延々と張に巡らされたネットの罠にとらえられてしまった。
エジプト、バルティム近くの海岸にて。

エジプトのウェスタン・デザト(西砂漠)で、息絶えたニシコウライウグイスを見せびらかすベドウィンの男性。その日の狩猟を終えて、キャンプサイトに戻るところだという。
エジプト、ウェスタン・デザトにて。

エジプトで、死んだニシコウライウグイスがビニール袋に詰められて、マーケットで売られている。地中海沿岸で毎年、何億もの渡り鳥が、食用、金儲け、そして残酷な娯楽のために密かに殺されている。 エジプト エル・ダハにて。

エジプトで、トラックのボンネットにロープでつながれているチョウゲンボウ(ハヤブサの同族)は、獲物の位置を教える役目をしている。ハヤブサを見つけると、チョウゲンボウは上空を見上げる。それを合図に、仕掛け人は輪なわをかけた小さな鳥を放ち、その鳥を襲うハヤブサを捕まえる。生きたままのハヤブサは最高で35000ドル(約350万円)の高値で売れる。
エジプト、ウェスタン・デザトにて。

アルバニアの地中海沿岸で、アメリカから渡ってきたカモ科のシマアジが、銃殺され、海面を漂っている。あたりにはおとりのデコイがたくさん浮いていた。
アルバニア、ヴェリポジェにて。

キプロスの鳥類殺戮反対団体(CABS)のメンバーで、渡り鳥の密猟に反対している活動家が、果樹園に忍び込み、何十もの「とりもち」などの罠を発見して取り外している。
キプロス、アヤナパにて。

エジプトのウェスタン・デザトに残されたニシコウライウグイスの頭部。ハンターたちがその日捕まえて殺した鳥を、調理して、頭部だけをこのキャンプサイトの近くに捨てて行ったのだろう。
エジプトのウェスタン・デザトにて。

キプロスの鳥類殺戮反対団体(CABS)のメンバーで、渡り鳥の密猟に反対している活動家が、果樹園で雌のズグロムシクイをとりもちから外して救出し、羽についた粘着性の樹液を吸い取ってやっている。
キプロス、アヤナパにて。