タイトル:東日本大震災 亡き人への想い胸に
撮影者:鹿野 修三(Kyodo News)
東日本大震災から11カ月。骨組みだけが残された宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎で、行方不明の夫に語りかける三浦ひろみさん。津波が押し寄せたとき、町職員の夫は防災無線で、住民に避難を呼び掛け続けていたという。震災以来、旧庁舎訪れ1日の報告をすることが日課になった。「気持ちは3月11日のまま。悲しみは増すばかりです」と三浦さんは声を振り絞った。
大勢の児童・教職員が津波の犠牲になった石巻市立大川小学校の敷地内で行われた「お焚き上げ」。この目、保護者たちは持ち寄った子どもたちの形見を燃え上がる炎の中に次々と投げ込んでいった。生き残った者の「決意」を背中に感じた。
東日本大震災から1年、津波で流された宮城県気仙沼市波路上の自宅跡を訪れた三浦智昭さんは津波で父を亡くした。「風景がすっかり変わってしまい、道路もなくなった」と海を見つめる。2歳の娘が疲れた様子で智昭さんの胸に体をあずけていた。
東日本大震災から半年、津波で流された宮城県気仙沼市の住宅跡地で、花束を手にたたずむ警察官。流された交番に勤務していた警察官はまだ発見されていなかった。
東京電力福島第1原発事故により警戒区域に設定された福島県富岡町。例年と変わらず淡い桃色の花びらで埋め尽くされた桜並木。そこに住民の姿はなく取材のため防護服に身を包み一時立ち入りをした報道陣のみ。咲き誇る桜と町の静けさだけが印象に残った。