DAYS JAPAN 広河隆一責任編集 世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌
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編集長便り 2008年5月

映画「靖国」上映中止の動きが広がった。
「ルート181」という映画があったが、これはパレスチナ人とユダヤ人の2人が、1947年の国連分割案(決議181号)の境界線に沿って旅をするドキュメンタリー作品だった。この映画もフランスのポンピドーセンターで、外圧を受け、上映中止になっている。私の監督作品「パレスチナ1948NAKBA」は現在大阪のシネ・ヌーヴォで上映されているが、映画製作者と映画館の関係は、フォトジャーナリストとDAYSの関係にあたる。映画の作り手と映画館の関係でも、ジャーナリストとDAYSなどのメディアの関係でも、どちらが欠けても成り立たないということでは同じだ。優れた作品の提供者がいても、その発表場所がなければ、人々の手には届かない。上映館が扉を閉ざすということは、メディアが扉を閉ざすことと同じ意味を持つ。その責任は重い。メディアや上映館がそれぞれの価値観で、作品や映画を選ぶのは自由だ。しかし他者からの圧力で扉を閉ざすのは許されない。ましてそれに政治家が関わっている場合は言語道断だ。

政治家の権利は、人々の知る権利に比べれば取るに足らないはずなのに、勘違いを起こし、傲慢になっている。そこまで国民は自分たちの知る権利を政治家に委託していない。

優れた作品があり、優れたジャーナリストがいるのに、それを受け入れるメディアがないという危機感から、私たちはDAYSを発刊した。作品発表の場所は、特別な不可侵の場所であり、それを侵す権利は誰も持たないこと、それを守るためにこそ政治家の存在意味があることを知るべきである。
広河隆一



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